選挙は大掃除 / Let’s get Americanized!

2022.07.09

2022年7月8日、世界中を震撼させるような事件が日本で起きました。安倍前総理大臣が公共の面前で殺害されるという事件です。

政治家の反応と報じられている事実の間に感じられる違和感

まずは、安倍前首相に対して、歴代最長政権を記録し、日本のために尽力をつくされた政治家としてご冥福をお祈りします。政治家としての実績や行動には良いことも悪いことも際立つご活躍であった印象ですが、利権が絡む政治の世界で存在感を示した優れた政治家であったと思います。

報道と事実のズレ

今回の事件で今のところ報じられている事実は、政治信条目的ではなく安倍氏に不満がある個人が殺害に至ったという、シンプルな殺人事件です。被害者が安倍氏という有名人で、仕事である選挙演説中を狙った犯行でした。仕事中に殺害されたという事実です。この事実を見ると、全国で起きている怨恨による殺人事件と本質はかわらないでしょう。

ところがメディアをはじめ、政治家のコメントのほとんどが、民主主義の根幹を揺るがす、民主主義への挑戦、テロなどの言葉を使ってこの事件を非難しています。

仮にこれが、スナイパーによる犯行で犯人が捕まっていない、無差別テロ、など組織的犯行が疑われるような状況であれば、抵抗勢力による政治への挑戦という見方もできますが、映像でも確認できるように、個人が逮捕されるのを覚悟の上で単独で逃げることもなく復讐ともいえるような形で事件を起こしています。

民主主義とは

民主主義とは国家の思想のひとつのスタイルで、主権が国民にあり、選挙によって選ばれた人が統治を行うスタイルのことを表します。独裁国家のような力による統治ではないスタイルです。多くの先進国はこの民主主義を掲げています。

政治家やメディアであればこのことは十分にわかっているはずですが、なぜ多くの人の反応が民主主義に対する蛮行のようなコメントを出しているのでしょうか。法治国家の根幹を揺るがす、法治国家への挑戦などであれば事実とはかけ離れないので理解ができますが、ここで民主主義という言葉を使ってきていることに怪しい感じが漂っています。

3つの可能性

このように違和感のあるコメントが多いケースでは必ずなんらかの理由が存在します。その理由を考えてみると以下の3つが可能性として浮上してきます。

1.民主主義を理解していない。

法治国家と民主国家を混同していて言葉を間違って使っている可能性です。しかし、メディアや政治家のレベルが中学生で習うようなこれらのシステムを公共の面前で大胆に使い間違っているとは考えにくいところです。

2.選挙に利用したい。

今回の事件は参議院選挙2日前の選挙活動中に起こりました。政治家としては国民にアピールする絶好の機会で、民主主義という正義の言葉を使うことで自らの印象をよくする目的で使っているケースです。これはある意味、民主主義という言葉がわかっていない国民がいてその層には正義として響くと思っているような幼稚な発想で有権者をバカにしているといっても過言ではありません。

3.報道されていない何かを知っている。

これが組織的反抗、政治信条による特定団体による反抗なのであれば、政権を担う第一党の最大派閥の会長を狙ったテロ行為であり、世界各地で起こっている革命や内戦などの部類に入るため民主主義への挑戦という見方ができます。つまり、個人の怨恨による反抗でないことをすでに知っていて、そのことに対してコメントしてしまっているということです。

選挙は大掃除

3のようなことであるならば、これだけ多くの政治家がその真意を知っていることは考えにくいので、現実的には1または2が理由で、とくに2の可能性が高いのかと思います。しかしながら今回の選挙候補者をみても1のレベルが多くいるように見受けられます。

日本人は年末にはほとんどの人が大掃除をします。新しい年を綺麗に迎えたいという気持ちがあることでしょう。選挙は新しい時代へのピリオドです。新しい時代をより良くするためには必要なものを残し、不要なものを排除する大掃除が必要です。日本は投票率が低いと言われていますが、これは大掃除をしていない人が多いということです。一人一人の役割は大きくはありませんが、投票することで日本という国をクリーンにする方向へ進めることができます。仕事や重要な予定も大事ですが、新しい時代を良い状態で迎えるために選挙にはより多くの人に行ってもらいたいと思っています。