ウィル・スミス騒動の波紋 / Let’s get Americanized!
ウィル・スミス騒動の波紋
Katie’s Magazineの速報でも報じられたアカデミー賞受賞式でのウィル・スミス騒動ですが、日が経つにつれて問題が大きくなっているようです。報じられた直後はニュースキャスターも笑いながら報じている感じでしたが、アメリカの世論的にはウィル・スミスの行動を非難する意見が多くなっているようです。
複雑に絡むアメリカの人種問題
ウィル・スミスの行動は同情されるものではあるが暴力は許されないという意見が多くを占めています。
この問題にはアメリカの人種問題が複雑に絡んでいます。今回司会者がクリス・ロックではなく白人であったとしたら全く異なる結果になっていたでしょう。仮に司会者が白人であった場合、そもそもウィル・スミスは行動に出なかった可能性もあります。
アメリカには黒人が白人をジョークのネタにするのはOKでその逆はNGという暗黙の了解のようなものがあります。警察が問題を起こしてデモなどが行われているのは全て白人警官が黒人に対して行われているもので、白人同士、黒人同士の場合、ニュースにはなったとしても全米を巻き込むような騒動には発展しません。
このため、白人のコメントをみているとあまり深くかかわらないように、攻撃的な意見をしないようにしてるようにも思えます。もし強く非難した場合、レイシストとして黒人ヘイトのレッテルを貼られかねないからです。
今回のウィル・スミスの騒動には黒人からの非難が強まっています。それは、黒人がいまだに人々から潜在的に暴力的だと思われているところにあって、今回はあろうことかその代表のようなセレブリティーのウィル・スミスがカメラの前でそれを実行してしまったからです。暴力絶対反対と思っている黒人は多くいますがいまだにそのような偏見がもたれていて、今回のことでやっぱりね…となってしまうことを危惧しているのです。
ウィル・スミスの行動の可否
彼の起こした行動で良くないと思われている点は以下のポイントです。
1.権威あるアカデミー賞という舞台で、他の受賞者の話題をかっさらってしまったこと
2.フォーマルなセレモニーでの痴態
3.暴力による解決
これに対して同情できるポイントは
1.妻を守る気持ちから行動を起こした
という1点になります。個人的には勇敢でカッコいいとは思いますが、それが許されるのは映画の中だけであってリアルの世界では許されません。しかし、感情を抑えきれずにやっちまった感があるウィル・スミスはやはり愛されるべきスターであるとも感じています。また、拳ではなく平手打ちであったところも重要なポイントなのではと思っています。同じ黒人として恥ずかしいことをいってんじゃねーという愛情的な意味合いも含まれていたのではないかとすら感じさせる行為でありました。
私自身、黒人コミュニティの中で長い年月を過ごしたこともあり、この問題は日本人目線で見られないところもありますが騒動がいい方向に解決することを願っています。
呼び方の問題
この記事を書きながら、実は黒人、白人という書き方に戸惑っています。日本ではこの表現はOKなのかどうかがいまいちわかりません。ちなみにアメリカではBlack,White,のように言いますがこれはethnicity(民族性)を表すものなので差別用語ではなくニュースキャスターも普通に使っています。それにしても日本での黒人、白人という呼び方はどうも違和感があるので別の呼び方を考えてほしいものです。
Writer:James
アメリカ在住約10年を経て日本に帰国。アメリカ、イギリスでの豊富な経験をもとに帰国後は多方面で活動。純日本人ながらアメリカの黒人文化に囲まれて過ごすという異例の経験を持つ
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